
ヨーロッパ諸国からの近代文化の流入によって、美術館の存在、概念が日本に入り込んでくるのは、ごく近代の明治時代以降のことです。
日本史の近代以前には、美術館という概念は存在しませんでした。
しかしながら、美術を始めとする芸術作品や、価値在る工芸品を収集したり、保管保存しようとするのは、人間の本能的なものかもしれません。
公式な記録には残されてはいなくても、現在の美術館と実質的には近い場所は存在したと考えることはできます。
美術品の展覧という意味では、中世の古くから社寺が所蔵する宝物が定期的に「開帳」される習慣がありました。これが庶民の美術品観覧の場となっていたととらえることもできるでしょう。
明治維新後、美術品を一般人に対して公開するという行事は、1872年に東京の湯島聖堂で文部省博物館主催の美術工芸品の展示が行われたのが初めてとされています。
1877年の第1回内国勧業博覧会では美術館と称する部門がありました。この展示が後に帝室博物館となりました。
明治後期に至り、1895年開館の奈良国立博物館、1897年開館の京都国立博物館で美術品展示が行われました。1930年開館の大原美術館は初の民間の施設で、また西洋絵画を展示する日本初の美術館でした。
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